視空間に負担がある子どもの特徴|地図・図形・板書でつまずきやすい理由と関わり方

認知特性・思考タイプ

この記事でわかること

・視空間に負担がある子に見られやすい特徴
・地図・図形・板書などでつまずきやすい理由
・関わり方や支え方のポイント

視空間に負担があるとはどういうことか

視空間に負担がある子は、
目で見た情報をもとに、

・形を捉える
・位置関係を把握する
・空間の中で整理する
・見たものを再現する

といった場面で、時間がかかったり、わかりにくさを感じたりすることがあります。

これは、
「ちゃんと見ていない」
「やる気がない」
ということではなく、
見た情報を整理して扱うところに負担がかかりやすい ということです。

視空間能力そのものについては、こちらの記事で整理しています。

視空間能力とは?見て考える力と子どもに見られやすい特徴

視空間に負担がある子に見られやすい特徴

地図や図解が分かりにくい

言葉で説明されると分かるのに、

・地図
・図解
・グラフ
・図形
・位置関係の説明

になると、急にわかりにくくなることがあります。

周りからは
「見れば分かるはず」
と思われやすい場面でも、
本人の中では情報が整理しきれないことがあります。

板書や図形の書き写しが負担になりやすい

板書や図形の書き写しでは、

・黒板を見る
・形や位置を捉える
・ノートのどこに何を書くか決める
・視線を黒板と手元で行き来する
・手を動かして再現する

という作業が重なります。

そのため、

・行がずれる
・形が崩れる
・写し漏れが起きる
・どこまで写したか分からなくなる

といったことが起こりやすくなります。

配置や位置関係をつかみにくい

たとえば、

・机の上の整理
・ノートの使い方
・プリントのどこを見るか
・図のどの部分を見ればいいか

といった場面で混乱しやすいことがあります。

情報が多いほど、
「どこから見ればいいのか」
が分かりにくくなることもあります。

図形や空間を使う課題に時間がかかる

・図形問題
・立体の問題
・地図や方角
・位置関係を考える課題

などで、理解するまでに時間がかかることがあります。

考えていないのではなく、
目で見た情報を頭の中で整理するのに時間が必要 なことがあります。

人や物との距離感がつかみにくいことがある

視空間の負担は、
学習だけでなく日常の動きの中で見えることもあります。

たとえば、

・人との距離が近すぎる
・物にぶつかりやすい
・狭い場所で動きにくい
・置いてある物の位置を把握しにくい

といった様子です。

ただし、このような特徴は
視空間だけでなく、注意の向き方や身体感覚の特性が関係していることもあります。

よくある誤解

視空間に負担がある子は、
次のように誤解されることがあります。

「ちゃんと見ていない」

図や板書がうまく扱えないと、
「見れば分かるのに」
「もっとよく見て」
と言われることがあります。

でも実際には、
見ていないのではなく、
見たものを整理して理解するところに負担がある 場合もあります。

「不注意なだけ」

写し漏れや配置のズレが続くと、
不注意に見えることがあります。

けれど、
目と手と位置関係を同時に扱う作業そのものが難しい場合もあります。

「雑にやっている」

図形が崩れたり、行がそろわなかったりすると、
雑に見えることがあります。

でもそれは、
丁寧さの問題ではなく、
空間の中で整えることに負担があるためかもしれません。

一方で、視空間能力が高い子には、また違った特徴が見られます。

視空間能力が高い子どもの特徴|見て考える子の思考パターンとは

どんな場面でつまずきやすいのか

視空間に負担がある子は、特に次のような場面でつまずきやすいことがあります。

学校

・板書を写す
・図形問題を解く
・プリントのどこを見ればよいか分からない
・ノートのレイアウトが崩れる

日常生活

・持ち物の位置を把握しにくい
・整理整頓が苦手
・道順や場所を覚えにくい
・距離感がつかみにくい

遊び

・迷路や地図遊びが苦手
・立体の組み立てに時間がかかる
・見本通りに再現することが難しい

関わり方のポイント

見る情報を減らす

情報が多いほど、
どこを見ればいいか分からなくなりやすいことがあります。

そのため、

・見る場所をしぼる
・必要なところに印をつける
・一度に見せる量を減らす

といった工夫が役立つことがあります。

位置や順番を具体的に示す

「ここを見て」
「この次はここ」
と、位置や順番を具体的に示すと分かりやすくなることがあります。

たとえば、

・色分けする
・指で示す
・枠をつける
・行や列を区切る

といった方法です。

板書や書き写しは負担を減らす工夫をする

板書が負担になりやすい場合は、

・印刷したものを使う
・見本を近くに置く
・量を減らす
・時間に余裕を持たせる

といった工夫で楽になることがあります。

言葉の説明も補助として使う

視覚情報だけでは整理しにくい場合、
逆に言葉で補うと理解しやすくなることがあります。

たとえば、

・「上・下・左・右」を言葉で添える
・順番を言葉で確認する
・位置関係を一緒に言語化する

といった方法です。

「できない」ではなく「負担がある」と見る

視空間に負担があると、
周りからは
「苦手」
「雑」
「不注意」
に見えやすいことがあります。

でも大切なのは、
できないと決めつけるのではなく、どこで負担がかかっているのかを見ること です。

支え方で変わることもある

視空間に負担がある子でも、

・情報の量を調整する
・見方を一緒に整理する
・位置関係をわかりやすく示す
・書き写しの負担を減らす

といった工夫で、取り組みやすくなることがあります。

本人の努力不足として片づけるのではなく、
その子に合った見せ方・支え方を探すこと が大切です。

視空間能力を含むWISCの5指標全体については、こちらの記事でまとめています。
WISCの5指標とは?子どもの思考タイプと認知の特徴をわかりやすく解説

まとめ

視空間に負担がある子は、

・地図や図解が分かりにくい
・板書や図形の書き写しが負担になりやすい
・位置関係や配置をつかみにくい

といった特徴が見られることがあります。

それは、
「見ていない」
「不注意」
「雑」
ということではなく、
見た情報を整理して扱うところに負担があるためかもしれません。

大切なのは、
どこで負担がかかっているのかを見て、
その子に合った支え方を考えることです。

視空間のつまずきは、
見方や工夫を変えることで、少しずつ楽になることもあります。

タイトルとURLをコピーしました