子どもの様子を見ていると、
「できることと、できないことの差が大きい」
「理解しているはずなのに、うまくいかない」
「得意なことはすごく伸びるのに、苦手なことは極端に難しい」
そんなふうに感じることがあります。
その理由は、
「努力」や「やる気」だけでは説明できないこともあります。
WISC検査では、
子どもがどのように情報を受け取り、考え、処理しているのかを、いくつかの指標に分けて見ることができます。
この記事では、
WISCの検査結果から見えてくる特徴と、
そこからどのように関わり方が変わるのかを整理していきます。
この記事でわかること
・WISC検査の結果から何が見えてくるのか
・IQだけでは分からない「得意・不得意の差」の見方
・結果を知ることで変わる関わり方のヒント
関連記事
WISC検査を受けたきっかけや当日の流れについては、こちらの記事でも詳しくまとめています。
→ WISC検査を受けたきっかけ|「この子、ギフテッドじゃない?」から始まった話
→ WISC検査の流れ|当日の様子と子どもの反応を体験から整理
検査結果はすぐには分からない
WISC検査の結果は、当日すぐに分かるわけではありません。
わが家では、検査から2〜3週間ほどして、
結果が郵送で届きました。
封筒を開けると、
いくつかの指標と数値、そして説明が書かれていました。
全体は平均域、でも中身には特徴があった
全体の数値だけを見ると平均の範囲でした。
けれど、中身を見ていくと得意・不得意の差がはっきりしていました。
得意な力
特に高かったのは、
・視覚的に捉えて考える力(視空間)
・新しい問題を推理して解く力(流動推理)
でした。
図形や構造を捉えること、
パターンを見つけて考えることに強さがあると説明を受けました。
負担がかかりやすい部分
一方で、
・情報を一時的に保持しながら処理する力(ワーキングメモリ)
・作業を素早く進める力(処理速度)
の部分は、負担がかかりやすい傾向が見られました。
「できない理由」が見えてきた
この結果を見たとき、
これまでの出来事が思い浮かびました。
・字を書くことを強く嫌がる
・途中で集中が切れてしまう
・周りの音や動きに気を取られる
それまで
「どうしてだろう」
と思っていたことに、
少しずつ理由が見えてきたように感じました。
点と点がつながった感覚
結果を見ながら、
「なるほど、そういうことだったのか」
と感じる瞬間がありました。
バラバラだった出来事が、
少しずつつながっていくような感覚でした。
困りごとに見えていた行動の中にも、
理由があったのかもしれない。
そう思えたことが、大きな変化でした。
WISC-Vで見られる主な指標
WISC検査では、単にIQだけでなく、
いくつかの指標に分けて結果が示されます。
現在主に使われているWISC-Vでは、
次の5つの指標が中心になります。
言語理解指標(VCI)
言語理解とは、言葉を使って考える力です。
・言葉の意味を理解する
・説明する
・概念を整理する
といった場面に関係します。
言語理解については、こちらで詳しく整理しています。
→ 言語理解とは?言葉で考える力と子どもに見られる特徴
視空間指標(VSI)
視空間とは、目で見た情報をもとに考える力です。
・図形や構造を理解する
・空間的に捉える
・組み立てる
といった力が含まれます。
視空間能力については、こちらで詳しく解説しています。
→ 視空間能力とは?見て理解する力と子どもに見られる特徴
流動推理指標(FRI)
流動推理とは、新しい問題を考えて解く力です。
・パターンを見つける
・法則を推測する
・論理的に考える
といった思考に関係します。
流動推理については、こちらの記事で詳しくまとめています。
→ 流動推理とは?新しく考えて解く力と子どもに見られる特徴
ワーキングメモリ指標(WMI)
ワーキングメモリとは、情報を一時的に保持しながら処理する力です。
・聞いたことを覚えながら考える
・順番に処理する
といった場面で使われます。
ワーキングメモリについては、こちらで詳しく整理しています。
→ ワーキングメモリとは?考えを一時的に保持する力と子どもの特徴
処理速度指標(PSI)
処理速度とは、情報を素早く処理する力です
・簡単な作業をスピーディーに行う
・見て判断して手を動かす
といった能力に関係します。
処理速度については、こちらで詳しく解説しています。
→ 処理速度とは?作業の速さと子どもに見られる特徴
WISCでは「どの指標に差があるか」がとても重要になります。
それぞれの得意・不得意の組み合わせについては、こちらで整理しています。
→ WISCの5指標とは?子どもの思考タイプと認知の特徴
数値の「高さ」よりも大切なこと
WISCでは、それぞれの指標に数値が出ます。
一般的に、指標の間に15〜20程度の差がある場合、
その差には意味があると考えられることがあります。
ただし、この数値だけで発達障害かどうかが決まるわけではありません。
大切なのは、
・数値が高いか低いか
ではなく
・どの指標に差があるか
です。
同じ「平均」の中でも、
・得意な部分
・負担がかかる部分
の差によって、
日常での困りごとや得意なことが変わってきます。
WISCの結果と診断の違い
WISCは診断のための検査ではなく、
認知の特徴を理解するための指標の一つとされています。
発達特性の診断は、
・日常生活での様子
・困りごとの内容
・成育歴
・行動観察
などをもとに、
医師や専門家が総合的に判断します。
WISCの結果は、
その判断材料の一つとして使われるものです。
わが家の場合
わが家では、
・視空間
・流動推理
が非常に高く、
・ワーキングメモリ
・処理速度
に負担が見られるという結果でした。
そのため、
・考える力は高いが
・処理やスピードで負担がかかる
という特徴が見えてきました。
得意と不得意はセットで存在する
今回の結果で感じたのは、
得意な力と苦手な力は、
切り離されているものではないということでした。
例えば、
・考える力が高い
→ 処理に時間がかかる
・構造を理解する
→ 細かい作業は負担になる
といったように、
一つの特性が別の形で現れているようにも感じました。
関わり方が変わった
結果を知ったことで、
・できないことを責める
ではなく
・どうすればできるかを考える
という視点に変わりました。
同時に、
「なぜこんなに同じことを繰り返すのか」
「どうしてそこまで強くこだわるのか」
と戸惑っていた言動にも、
その子なりの認知の特性や感じ方が関係しているのかもしれないと、少しずつ理解できるようになりました。
例えば、
・一度に多くのことを伝えない
・視覚的に分かる形にする
・時間に余裕を持たせる
といった工夫をするようになりました。
検査は「答え」ではなく「ヒント」
WISCの結果は、
すべてを決めるものではありません。
ただ、
・理解するためのヒント
・関わり方を考える材料
としては、とても大きなものでした。
まとめ
WISC検査で見えたのは、
「できる・できない」ではなく、
「どう考えているか」でした。
その視点が持てたことで、
・困りごとの見え方が変わる
・関わり方が変わる
そんな変化がありました。
子どもの行動の中には、
必ず理由があります。
その理由を知ることが、
理解の一歩になるのかもしれません。

