幼稚園に通い始めてしばらくすると、娘は「幼稚園行きたくない」と言うことがありました。
朝、着替えながらだんだん表情が曇っていく。車に乗るとシーンと静かになる。幼稚園が近づくにつれて、窓の外を見ながら小さな声で「今日は休みたい」とつぶやく。そして園の駐車場に着いた瞬間、涙がこぼれる。
毎朝その繰り返しでした。
この記事でわかること
- 子どもが「幼稚園に行きたくない」と言う理由の捉え方
- 無理に行かせるか休ませるか迷ったときの考え方
- 繊細な子どもに見られる不安の特徴
- 「休む」という選択が持つ意味
- 子どものペースを尊重する関わり方

無理に行かせた方がいいのか
親としては悩みます。「少し頑張れば慣れるのでは?」「ここで休ませたら甘えになるのでは?」そんなことを考えることもありました。
正直なところ、休ませるのは簡単です。でも「今日休ませたら、明日も明後日も行かなくなるのでは?」という不安もありました。甘やかしすぎになってしまうのではないか、という葛藤も。毎朝、正解がわからないまま判断していました。
息子は園こそ違いましたが、同じくらいの年齢のとき、親を振り返りもせず一人でどんどん行ってしまうタイプでした。同じきょうだいなのに、こんなにも違うのかと驚いたのを覚えています。だからこそ、娘の反応をどう受け止めればいいのか、最初はなかなか掴めませんでした。
でも娘の様子を見ていると、ただのわがままではないようにも感じました。本当に不安が強いのだと思ったのです。
不安が強い日は休むこともあった
そのため、どうしても不安が強い日は無理に登園させず、休むこともありました。「今日は休もうか」そう言うと、娘の表情が少し安心することもありました。
もちろん毎日休ませるわけではありません。でも「どうしても無理な日は休んでもいい」という余白を作ることで、娘の気持ちは少し落ち着くようでした。

園に伝えていたこと
そんな気持ちを抱えながら、先生にはこんなことをお伝えしていました。
「いつか娘が成長して幼稚園のことを思い出したときに、辛かった場所ではなく、楽しい思い出のある場所として思い出してほしいんです」
実は私自身、この幼稚園の卒園生です。まさか自分がまたここに来ることがあるとは、と不思議な気持ちでした。あの頃と変わっていない遊戯室、30年以上経つのに残っている園庭の築山。大好きだったお城は別の遊具に代わっていたけれど、それでも園庭に足を運ぶと、あの頃の私がひょっこり顔を出すこともありました。
あたたかい園の言葉
その話をすると、園長先生や副園長先生、担任の先生は「ご家庭のペースで大丈夫ですよ」「娘さんに寄り添ってあげてくださいね」と声をかけてくださいました。
人数が少ない分アットホームで、先生との距離が近い。息子が通っていた大きな園とは雰囲気が違う、この園ならではの温かさでした。引っ越してきてこの園に来たとき「あ、こんな感じだったな」と懐かしく感じたのを覚えています。繊細な娘には、こういう環境が合っているかもしれないとも感じていました。
その言葉にとても救われました。

繊細な子どものペース
後から振り返ると、娘は環境の変化にとても敏感な子でした。新しい場所、知らない人、集団生活。そうした刺激を強く受け取っていたのだと思います。
子どもによって慣れるスピードはそれぞれ違います。少し時間がかかる子もいれば、すぐに慣れる子もいます。どちらが正解ということではなく、その子のペースがあるのだと思います。
家でも広がる世界
幼稚園を休んだ日は、家で過ごす時間が増えました。けれど、それはただ「何もしない時間」ではありませんでした。
お絵かきをしたり、折り紙をしたり、公園へ行ったりしながら、娘が安心して過ごせることを大切にしていました。安心できる場所で好きなことを楽しむこと、無理のない形で外の空気に触れること。そうした時間があったからこそ、娘の気持ちも少しずつ整っていったのかもしれません。
→繊細な子の幼稚園生活とは?HSC気質の娘に見えた家と園のギャップ

まとめ
子どもが「幼稚園に行きたくない」と言うとき、親としては「頑張らせた方がいいのか」「休ませてもいいのか」と迷うことがあります。私も同じように悩みました。
でも娘の様子を見ていると、それは単なるわがままではなく、不安の強さからくる反応のように感じられました。だからこそ「どうしても不安が強い日は休む」という選択も取り入れるようにしました。
「休むこと」はその場に立ち止まることではなく、次の一歩のために力をためる時間でもあるのだと思います。子どもの「行きたくない」という言葉の奥にあるものを見ながら、その子にとって無理のない形を一緒に探していくこと。それが長い目で見たとき、子どもの安心や成長につながっていくのかもしれません。

